漫談がしたい!
- family
- 2020年4月26日
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田中 知(日本基督教団若松浜ノ町教会牧師) あれから10年。原口徹牧師を天に送って、それなりの時間が過ぎました。 今回、趣旨もよく理解しないまま「召天10年」の原稿を引き受け、締め切り に追われながらまとめています。生前のお交わりに感謝しつつ、ご家族にはお 許しをいただいて、自由に記させていただきます。 徹さん(今回はこのように呼ばせていただきます)とは、初めてお会いした 時から、お互いどこか似ていたのでしょうか?気兼ねなくものを言い合い、愚 痴をこぼしながらお付き合いいただきました。「若松キリスト教連合」(カト リックを含む超教派5教会の集まり)の月に一度の祈祷会では、終了後「まあ お茶でも・・・」と多田牧師夫妻と牧師館にお邪魔することもしばしばでした 。食べながら・飲みながらの無駄話は決して無駄ではなく、若輩者のわたしに とっては非常に有用な学びの場となりました。 教会以外にも「わかまつ九条の会」や個人的な場合も加え、最後2人だけで もう一軒はしごする、ということもよくありました。その時の話題を一つずつ 記せばきりがありませんが、徹さんはお酒が入り気分がよくなると、当時独身 であったわたしに「西南女学院に魁皇のお姉さん(K先生)がいるけど会っ てみる?」とよく言いました。「魁皇の義兄になるかも!」とまでは思いませ んでしたが、「魁皇のお姉さんに会った!」だけでも話のネタになるので、「 ぜひぜひ」とお願いしたものです。けれども、毎回その話を繰り返すだけで、 結局K先生にお会いすることはかなわず仕舞でした。 「スナック」なる場所に初めて足を踏み入れたのも徹さんに連れられてでし た。「牧師がスナックなんて!」と抵抗しましたが、「ボクも幼稚園の集まり でね、初めて行くようになったんだよ」と言いくるめられて、その後も何度か お供をしています。徹さんが嬉しそうにカラオケを歌う姿を今でもよく覚えて います。音痴なわたしが「カラオケ」を人前で歌うことなど、恥ずかしくてで きなかったのが、徹さんのお陰で少しは歌えるようになっています(笑)。 お酒の席では、「君は~だね」と人物評もしていただきました。今でも覚え ているのは「君は漫談をしたら面白いだろうな~」という誉め言葉?です。漫 才では釣り合う相方がいないからでしょうか。「ひとり漫談」を聞きたいとい うのです。わたしの礼拝説教は、ひたすら無駄話をせず「つまらない」スタイ ルを貫いています。舌禍で繰り返し失敗しましたので、普段の無駄話も(自分 なりにですが)極力減らすようにしています。あれからもう10年以上の年月 が過ぎました。いつになったら自由に漫談ができるのでしょう?気兼ねなく、 徹さんのように、おおらかに漫談を聞いてもらえそうな人とはなかなか出会え ません。いつかまた二人でのんびり飲み食いしながら、「ではでは一席」とお 別れしてからの恥ずかしい個人史を、尾鰭を付けながら、お話しできるのを楽 しみにしています。 悦子さんとも不思議なご縁で、若松以降もお付き合いが今でも続いています 。三人のお子さんたちと直接お会いする機会はほとんどなくなりましたが、今 後とも原口ファミリーにはいろいろとお世話になると思います。これも徹さん との生前の交わりの賜物と感謝しています。 ではでは、漫談を披露する時まで、そちらでの生活を楽しんでお待ちくださ い。わたしもまた「天国スナック」に連れて行ってもらえるのを楽しみにして います。
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