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原口徹さんとの思い出

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  • 2020年4月26日
  • 読了時間: 3分

                                    村中 範光

原口徹さんに初めて会ったのは1987年でした。私は当時渋谷バプテスト教会を辞任し次の招聘先を祈っていました。

12月にハンキンス宣教師夫妻が教会に来られ、千葉市川大野伝道所を一緒に牧会 しないかとの申し出があり主の導きと快諾しました。市川大野伝道所の母教会、市川八幡バプテスト教会の牧師が原口徹牧師でした。それから頻繁に会うようになり、私にない彼の懐の広さ、寛容さ、物事をいつも前向きにとらえる姿勢と二人とも楽しく食べ、飲み、おしゃべりして人生をエンジョイする生き方があいまって次第に意気投合するようになりました。


市川時代で強く印象に残っているのは二人で怪しげな中古車修理工場から格安の危ない車を買いに行ったことでした。彼が修理工場のオーナーと実に親し気に話をしているのをみてそのコミュニケーション能力に感心しました。

それから度々修理の度に二人でその工場を訪れいつのまにかなんとなく3人仲良しになりました。私たちの付き合いは彼が泉バプテスト教会に招聘された後も続きました。はじめは二人の交わりでしたが、いつのまにか夫婦同士の交わりになっていきました。4人の交わりは「麻雀」を通してさらに深まりました。麻雀のためよく市川から車を飛ばして世田谷までいき、徹夜で卓を囲み明け方また帰ってくることも度々ありました。気兼ねなく言葉を交わしながらの麻雀はお互いにとてもよいストレス解消になりました。私が東京第一バプテスト教会に招聘され、お互いの距離がぐんと近くなり、4人の交わりがさらに深まりました。残念なことにこの素晴らしい交わりは彼が若松バプテスト教会へ招聘された時点で終わりをつげました。お互いに幼稚園と教会ととても忙しく遠距離ということもあって、電話やメールでやり取りする以外、直接話をする場は連盟の定期総会に限られました。 彼との数多くの会話の中で特に忘れられない会話は、彼の深い信仰に触れることができた会話でした 。どういう事情だったか何時のことだったか覚えていないのですが、彼と連盟総会へ向かう車の中で交わした会話でした。自分の発病経過、病名、あと3年の余命等とても重い内容の話をたんたんと語っている彼と私は発する言葉も少ない会話でした。彼の実にあたかも何もなかったかのような自然な話に、主にすべてをゆだねて生きる強い信仰を見る思いがしました。主から与えられたこのひと時は決して忘れることはできません。 次に彼に会えたのは2009年の九州旅行の時でした。この旅行の第一の目的は原口夫妻の訪問でした。彼が牧会している直方バプテスト教会にご夫妻を訪問でき、一泊させていただいて十分な時間をとれたのは本当に感謝でした。礼拝に参加できて彼の椅子に座りながらの説教を聞けたのも大きな恵みでした。礼拝後一緒に夕食の買い物に4人で出かけ、食卓を囲んで話がとても弾みました。徹さんが食べ物を口にしたのは数日ぶりだと話を聞いて胸が痛み、涙が出そうになりました。原口夫妻が実に屈託なく自然に楽しそうに食べ、飲み、話をしているのを見て私達も同じように楽しくひと時を過ごしました。彼らとの次の日の別れはあっさりしたものでしたが心には万感の思いがありました。 後日原口徹牧師永眠の訃報を受けた時虚脱感がありました。永遠の友、信仰の同志が天に召されたと素直に喜べない自分がいました。やっぱり昔のように一緒に楽しく食べたり、飲んだり、会話を交わしたり、麻雀をして過ごせないやるせなさのほうが強く心にありました。 今は彼の安らかな永眠を心から感謝して受け止めています。

 
 
 

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