手紙
- family
- 2020年4月26日
- 読了時間: 2分
主の御名を賛美します。
初めてお便りします。
私は姫路城西教会の牧師高田進の連れ合いであります高田ゆかりと申します。
先日は素晴らしいカレンダーをお送りくださりありがとうございました。
我が家のリビングに飾っています。
私は原口先生とは2度ほどお会いしただけですが、とても楽しい出会いをさせていただきましたので、先生が天に召されたことを伺った時にはとても悲しい思いになりました。ましてやご家族の方々はどんなに深いお悲しみの中においでかと、胸がつまる思いです。
先生との一番の思い出は、昨年でしたか、姫路で行われた公害委員会でのことです。委員会の行われた部屋と隣り合っている牧師館の台所の出入り口で、先生と1時間余りおしゃべりをして過ごしました。
実は私はそのときは寝るつもりでパジャマ姿で困りましたが、先生がどうしても私の側から離れてくれず、台所の床に座って、たくさんの話をしました。
私はパジャマ姿など家族以外に見せたことがなかったので、最初は居心地がよくなかったのですが、先生がその様なことはお構いなしに話をされるので、いつの間にか話が弾んでいきました。
とても楽しい話もありましたが、その内に先生がご自分のご病気のことをお話になりました。遠くを見つめるように「僕はもうすぐ死ぬんです。これでいいのかなあ」と何度もつぶやかれました。「僕には家族もいるんですよ。でも、全部置いて一人で死んでいくんです。本当にこれでいいんですかねえ」と繰り返しおっしゃっていました。
私には励ます言葉は見つかりませんでした。
ただ、先生の家族のことを思いやる強い気持ちをひたすら聞くことしか出来ませんでした。一時的にせよご家族と離れて一人天国に行かなければならない事実は、先生にとっては受け入れることがとても辛いことであったのだろうなあと思いました。
でも、お話しながらも、穏やかな笑顔であり続けていらっしゃったのが印象深く思い出されます。
悲しみの中にあっても、ご自分の病気の状況を懸命に受け入れつつ、ご家族を愛し、やるべき仕事に取り組むお姿に感銘を受けました。
ご家族の皆さんの悲しみが無くなる事はおありにはなりませんでしょうが、どうか少しでも穏やかなお気持ちでお過ごしになられますように、お祈りいたします。
お体を大切にご自愛ください。 高田ゆかり
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